鉄サプリメントの種類について
鉄不足への対策として、
あまたある鉄サプリメントや鉄分添加食材から、
自分の状態にあったものを選べているでしょうか?
鉄の需要量は、年齢、性別、活動量、慢性炎症の有無、基礎疾患などによって変わります。
また、治療と予防は分けて考える必要があります。
まず、検査値で貧血を指摘されたときは、
貧血の原因の精査と治療が必要です。
女性の場合は、婦人科疾患や消化器疾患・悪性疾患などの有無を、
男性の場合は、疾患や悪性疾患などの有無を必ず確認しましょう。
隠れ貧血を疑われる場合も、
まずは原因を探り、改善を図ります。
その上で、サプリメントなどでの補充が選択肢に上がってきます。
鉄サプリメントには、大きく分けると、
ヘム鉄、非ヘム鉄、キレート鉄があります。
鉄は 体内で二価の陽イオンで存在すると、
活性酸素であるヒドロキシラジカルを生成し、
細胞内の酸化ストレスを増大させます。
細胞が酸化によるダメージを受けないように
体内の鉄は普段、別の物質にくっついて存在しています。
腸内で悪玉菌が勢力をふるっている状態では、
鉄はバイオフィルムという悪玉菌のバリアとして使用され、悪玉菌の増殖を手助けすることもあります。
腸内環境の整う前にヘム鉄を内服する必要のある時は、
腸内環境を整えながら、ラクトフェリンと一緒に内服するなど工夫が必要です。
鉄による酸化ストレスの害を軽減させるため、
ビタミンCなどの抗酸化物質の摂取も一緒に強化しましょう。
鉄欠乏のある際は、
非ヘム鉄の吸収率が上がります。
鉄分添加食材の多くは、
治療目的では鉄分量が少なすぎるので、
症状改善目的というより予防目的での使用となります。
海外製のキレート鉄の使用は、
鉄過剰で健康被害につながる事例も多くあるため、
基本的にはおすすめしておりません。
サプリメントを症状改善目的で使用する際は、
鉄過剰には注意しながら、
自分の今の状態にあうものを選びましょう。
個々の状況に応じたサプリメントの選び方などは、
月・火の栄養療法外来にて承っております。
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