お餅の食べ方
お米の成分はデンプンです。
デンプンはブドウ糖が結合してできています。
デンプンは、その結合方法の違いから、
アミロースとアミロペクチンの2種類に分けられます。
アミロースは、ブドウ糖が直鎖状につながったものです。
アミロペクチンは、ブドウ糖の鎖が枝分かれしながら結合している大きい分子です。
わたしたちが普段主食として食べるご飯はうるち米です。
うるち米は、品種にもよりますが、
アミロース:アミロペクチン=2:8くらいの割合で構成されています。
一方、もち米は100%アミロペクチンからできています。
デンプンは、アミラーゼという消化酵素で分解されます。
分解の過程は、
末端からはさみでちょきちょききっていくイメージです。
アミロペクチンは枝分かれが多い分、
アミラーゼよりも多くのアミラーゼを必要とします。
お正月はお餅を食べ過ぎてしまう人もいると思いますが、
食べる際は自分の胃腸の状態とよく相談して食べることをおすすめします。
タンパク質が十分にあり、
消化酵素の分泌量も潤沢で、
胃腸粘膜に炎症が全くない人は、
お餅を食べ過ぎてもさほど影響はないと考えられます。
他方、タンパク質不足傾向にあり、
胃腸粘膜が炎症傾向脆弱傾向だと、
分泌できる消化酵素量が少なめで、
お餅を食べ過ぎると胃もたれや炎症を引き起こしやすくなります。
お餅を食べて体が重くなる方は後者の可能性が高いです。
お餅を食べる前に、
おせちやお雑煮の具などを食べれば、食べ過ぎを予防できます。
おせちやお雑煮には
旬の具材や冬の心身によい食材がたくさん含まれており、
お餅の糖質分解で消費されやすいビタミンやミネラルも豊富です。
アミロペクチンには水分をため込む作用があるので、
利尿作用のある小豆と一緒にお汁粉として食べるという先人の知恵にも驚かされます。
すっきりとした体と心で新年を迎えるために、
年末年始の食べ方や食べる量を少し気にかけてみてくださいね。
栄養療法外来は月曜日と火曜日に行っております。
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