ビタミンCの必要量
外来で、ビタミンCのサプリメントはどのくらい飲んだらいいですかというご質問をよく受けます。
ビタミンCの必要量はその人の目的とその時の状態によって変わります。
まず、ビタミンCを補う方法として、経口か点滴かの違いがあります。
経口なら人工のアスコルビン酸、天然由来のビタミンC、リポソーム型の3つに大別されます。
ビタミンCの効果だけを考えるなら、
人工のアスコルビン酸も天然由来のビタミンCものも構造式は全く同じです。
人工のアスコルビン酸のメリットはビタミンC含有量が多いことです。
天然由来のビタミンCのメリットは、ビタミンC以外のフラボノイドなどの抗酸化物質を一緒に摂取できることです。
リポソーム型のビタミンCは、腸内からの吸収率がよく、より効果的です。
人体でビタミンCの濃度の高い組織は、
脳下垂体
副腎
白血球
水晶体
で、ビタミンCを摂取すると上記の臓器に優先的に使われます。
ビタミンCの血中濃度を上げたいときには、
1時間起きに1000mgずつ飲むと上昇していきます。
目安としては、
推奨量は3g/日以上
風邪予防なら9~10g/日以上
癌の補助療法なら50g/日以上(高濃度ビタミンC点滴)
が必要です。
気になる美白美肌のための容量はといいますと、
先述の臓器のビタミンC不足が解消されてから肌へいきわたるため、
一概には言えません。
ストレスが多くて副腎を酷使していたり、
体内に慢性炎症があったりすると、
その分必要なビタミンCの容量も増えます。
風邪などでビタミンCの効果を得たいときは、
1時間おきに1gずつを10回飲みましょう。
1回で腸から吸収できる容量には限界がありますが、
1時間ごとに飲むと次第に血中濃度が上がっていき、効果を得やすくなります。
ビタミンCのサプリメントが効かないという人は、
実は目的にたいしての容量が足りていないことがあります。
(過去にビタミンCの効果を否定した論文もそうでした)
美容目的での摂取は、
高濃度ビタミンC点滴で月に1,2回~、
普段は各々の健康状態に合わせて用量を決めて摂取する
のがいいかなと考えます。
リポソーム型のビタミンCは、当院でもご購入いただけます。
栄養療法外来では、問診と検査後に食事栄養指導、サプリメントの摂り方、思考へのアプローチなど併せて行っております。
栄養療法外来は月曜日と火曜日です。
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