頑張り屋さんと自律神経と血糖値
低血糖症状が食事だけで改善しない場合、 自律神経の乱れが原因のことがあります。 人類の歴史の中では、 現代のような飽食の時代よりも 飢餓の時代が圧倒的に長く、 低血糖で命を落とすことのないように 複数の血糖上昇作用のあるホルモンが備わっています。 一方、血糖を下げるホルモンはインスリンのみです。 血糖上昇ホルモンには、 コルチゾール、アドレナリン、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、ソマトスタチンなどがあります。 交感神経優位になるような場面が多いと、 アドレナリンが分泌されます。 また、ストレスを受けていると 抗ストレスホルモンでもあるコルチゾールも分泌されます。 ですので、日ごろから交感神経優位だと、 食事と関係なく血糖値が底上げされたり、 自律神経の切り替わりとともに 低血糖症状が出現することがあります。 また、交感神経優位だと グリコーゲンが蓄えられにくくなるので、 低血糖そのものを引き起こしやすくなります。 交感神経優位になりやすいのは、 からだが身構えるような戦闘モードの状況です。 具体的には、 過度なストレス環境、緊張、冷え、カフェイン、心理的要因、栄養不足、飢餓、慢性炎症、怪我、術後などがあげられます。 頑張り屋さんは交感神経優位な傾向にあります。 受験や仕事や対人関係などで頑張っている方は、 常に張りつめているので一見元気に見えるけれど、 実は自律神経も血糖値も整っていない場合もあります。 現代人は大人もこどもも忙しい人が多いからか、 交感神経優位な人も少なくないように感じます。 食後わりとすぐに眠くなるのは、 交感神経から迷走神経に切り替わったからです。 (血糖値の乱高下の場合は食後30分~1時間ほど経ってから眠気が来ます。) 普段交感神経優位だと、 この自律神経が切り替わる時に 眠気を感じやすくなります。 低血糖症状の改善には食事運動だけでなく、 自律神経を整えることも非常に重要です。 低血糖症状のある方や自律神経の乱れのある方にカフェイン断ちをすすめるのは、こういった背景からです。 ※カフェインは、コーヒーや紅茶だけでなく、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶などにも含まれています。デカフェもカフェインゼロではありません。 栄養療法では、 食事栄養の改善だけに限らず、 生活習慣や生活環境・ストレスへの対処も重視したカウンセリングを行っています。 栄養療法外来...